会社法は、取締役等が不正に株式を取得したり、法令もしくは定款の規定に違反して剰余金の配当をしたり、または目的の範囲外において投機取引のために会社財産を処分したときは、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金または併科されること等を規定しています(会社法963条5項)。
また、取締役等の特別背任罪の場合、10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金または併科がなされます(会社法960条)。
株主の権利行使に関して利益供与した場合、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金となることを規定しています(会社法970条)。
会社法違反の起訴・不起訴の傾向
検察統計によると、平成25年の公判請求の件数は8件、略式命令請求は0件、不起訴処分は32件で、起訴と不起訴処分の合計のうち不起訴処分の割合は80.0%となります。
量刑を争う場合や無罪主張をする場合は、弁護士の能力が特に重要です。事件の本質・ポイントを見抜き、効果的な立証を行うためには、経験に裏打ちされた高度な技術・判断能力が必要ですし、被告人にとって有利な証拠を収集する技術・能力も必要です。弁護士は、被告人と十分な打合わせを行い、最良の弁護方針を決定し、それを実行する必要がありますが、ここでも刑事事件についての経験がものをいいます。
弁護士の能力・手腕が不足していたがため、執行猶予が付かずに実刑になったり、無罪が取れずに実刑判決が言い渡され、弁護士が替わって、控訴審でやっと執行猶予が付いたり、無罪になったなどという話しはよくあり、弁護士選びは極めて重要となります。