大麻をみだりに所持し、譲り受け、又は譲り渡した場合は、5年以下の懲役となります。大麻を使用した場合も5年以下の懲役となり、いずれも罰金刑はありません(大麻取締法24条の2第1項、24条の3第1項1号)。
大麻取締法違反の逮捕の傾向
検察統計によると、平成25年における大麻取締法違反既済事件の総数2,596件のうち、警察及び検察で逮捕されたのは1,479件(57.0%)、逮捕されない在宅のものは1,117件(43.0%)となっています。このことから逮捕される可能性が高いといえます。
大麻取締法違反の警察の対応
警察で逮捕された1,479件のうち、検察へ身柄送致されたのは1,466件(99.1%)、警察で釈放されたのは13件(0.9%)となっています。これらのことから、逮捕されるとほぼ身柄付きで送検される傾向にあるといえます。
大麻取締法違反の逮捕後の措置
逮捕・送検された1,466件のうち勾留が許可されたのは1,458件(99.5%)、勾留が却下されたのは0件(0%)、検察で釈放されたのは8件(0.5%)となっています。逮捕・送検されるとほぼ勾留されるのが現状と考えられます。
大麻取締法違反の起訴・不起訴の傾向
検察統計によると、平成25年の大麻取締法違反による公判請求は1,185件、不起訴処分の件数は1,358件となり、起訴と不起訴処分の合計のうち不起訴処分の割合は53.4%となります。このことから、半数以上が不起訴処分となる傾向があるといえます。
大麻取締法違反の裁判の傾向
裁判所の司法統計によると、平成25年に第一審において大麻取締法違反で有罪となった件数は728件、無罪となった件数は0件、公訴棄却等が1件で、有罪率は99.9%となっています。
内訳をみると、実刑判決は126件(17.3%)、執行猶予判決は602件(82.6%)、無罪は0件(0%)となっています。
このことから、有罪となっても高い割合で執行猶予が付くこととなるといえます。
大麻取締法違反の場合、不起訴処分になる割合が高い傾向があるので、まずは不起訴処分のための活動をすることが重要です。
弁護士としては、検察官による処分につき、被疑者が否認している場合には、「嫌疑なし」「嫌疑不十分」を目指して弁護活動を行い、認めている場合は情状を訴えて不起訴処分となるよう活動します。