窃盗罪は、他人の占有する財物を意思に反して取得する犯罪で、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金となります(刑法235条)。
被害者が置き忘れた物を取った場合は占有離脱物横領罪(刑法254条)との区別が問題となります。その場合、時間的場所的近接性、置き忘れるなどした場所の見通し状況、置き忘れるなどした場所の状況、被害者の認識、被疑者の行動等で判断することとなります。
窃盗罪の逮捕の傾向
検察統計によると、平成25年における窃盗既済事件の総数122,992件のうち、警察及び検察で逮捕されたのは34,672件(28.2%)、逮捕されない在宅のものは88,320(71.8%)となっています。このことから軽微な事件の場合は、逮捕される可能性はあまり高くはないといえます。
窃盗罪の警察の対応
警察で逮捕された34,632件のうち、検察へ身柄送致されたのは32,274件(93.2%)、警察で釈放されたのは2,358件(6.8%)となっています。このことから、逮捕されても釈放される可能性があります。
窃盗罪の逮捕後の措置
逮捕・送検された32,315件のうち勾留が許可されたのは30,181件(93.4%)、勾留が却下されたのは213件(0.7%)、検察で釈放されたのは944件(2.9%)となっています。逮捕・送検されても若干釈放される可能性があります。
窃盗罪の起訴・不起訴の傾向
検察統計によると、平成25年の窃盗罪の公判請求は25,933件、略式命令請求は7,277件で、不起訴処分は49,807件で、起訴と不起訴処分の合計のうち不起訴処分の割合は約60.0%となっています。このことから、半数以上が不起訴処分となっているといえます。
窃盗罪の裁判の傾向
裁判所の司法統計によると、平成25年に第一審において窃盗罪で有罪となった件数は10,874件、無罪となった件数は11件、公訴棄却等が19件で、有罪率は99.7%となっています。
内訳をみると、実刑判決は6,367件(58.4%)、執行猶予判決は4,507件(41.3%)、無罪は11件(0.1%)となっています。
このことから半数近くについて執行猶予が付されているといえます。
窃盗罪の場合、不起訴処分となっている割合が高い傾向があります。不起訴処分に向けた活動が必要です。被害者との間で、被害弁償し、示談を成立させることが重要でしょう。また、在宅で捜査が進むこともあります。どのように対処すべきか戸惑うこととなると思います。早めに弁護士にご相談ください。